パッチテスト

パッチテストとは

パッチテストとはパッチテストは、接触皮膚炎(かぶれ)の原因を特定するための検査です。
かぶれはIV型アレルギーと呼ばれる遅発型過敏反応によるもので、原因物質に触れてから1~2日後に症状が出現し始めます。
患者様が持参した原因物質と考えられるものを皮膚に貼り、反応を確認します。

かぶれ(接触皮膚炎)

接触皮膚炎には刺激性とアレルギー性の2種類あります。
刺激性皮膚炎は、強い酸などに触れることで誰にでも起こりうる反応です。
一方、アレルギー性皮膚炎は、特定の物質に対してアレルギーを持つ人だけが反応するものです。
ヘアカラーや湿布、金属などが原因として多いですが、すべての人に症状が出るわけではなく、アレルギーを持つ人だけ症状が出現します。

金属アレルギー

アクセサリーや歯科金属に含まれる金属に対するアレルギー反応は、長期間使用することで起こることがあります。
このような金属アレルギーの原因物質を特定するために、皮膚に金属を含んだ試薬を皮膚表面(背部や上腕)に貼付し、反応を確認します。

パッチテストで検査できるアレルゲン

以下はパッチテストで検査できるアレルゲンと使用されている製品です。

  • 金:貴金属、アクセサリー、電子部品、歯科用金属など
  • コバルト:歯科用金属、セメント、インク、絵具、鍵、ファスナー、エナメル、ビタミンB12製剤など
  • ラノリン:つや出し、化粧品、クリーム、塗り薬など
  • フラジオマイシン:塗り薬、目薬
  • クロム:革製品、なめし剤、セメント、クロムメッキ、歯科用金属、染料など
  • ニッケル:アクセサリー、腕時計、ベルトのバックル、硬貨、携帯電話、ビューラー、歯科用金属など
  • カインミックス:塗り薬、局所麻酔薬
  • 香料ミックス:食品、キャンドル、香水、化粧品、塗り薬、石鹸、トイレットペーパーなど
  • パラベンミックス:食品、化粧品、塗り薬、シャンプー、リンス、石鹸など
  • ペルーバルサム:香料、化粧品、アロマオイル、ソフトドリンク、日焼け止めなど
  • ロジン(精製松脂):インク、ニス、塗料、ワックス、化粧品、接着剤、滑り止め(野球のロジンバッグ)など
  • p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂:ゴム・革製品の接着材など
  • エポキシ樹脂:電化製品の接着剤や塗料、コーティング剤など
  • カルバミックス:硬化剤、ゴム製品(ブーツ、靴、医療用手袋など)
  • 黒色ゴムミックス:老化防止剤、黒色のゴム製品(タイヤ、ベルト、マスク、ホース手袋、ゴーグルなど)
  • イソチアゾリノンミックス:外国製化粧品、シャンプー、リンス、ウェットスーツ、工芸用防腐剤など
  • メルカプトベンゾチアゾール:硬化剤、ゴム製品
  • パラフェニレンジアミン:おしゃれ染め、白髪染め、織物・インクなど
  • ホルムアルデヒト:衣類の仕上げ剤、接着剤、塗料など
  • メルカプトミックス:硬化剤、ゴム製品
  • チウラムミックス:硬化剤、ゴム製品
  • チロメサール:ワクチンなどの注射用製剤

パッチテストのやり方

パッチテストのやり方パッチテストは、背中の正常な皮膚にアレルゲンを貼り、48時間後に1回目のチェック、3~4日目に2回目のチェック、7日目に最終チェックを行います。
正確な結果を得るためには、何度か来院する必要があります。

判定の基準

パッチテストの判定は複数回行う必要があります。
48時間後にパッチをはがし、テープを除去してから15分後に1回目の判定を行い、72時間後、96時間後、そして1週間後に判定を実施します。

パッチテストの注意事項

パッチテストを受ける際の注意点は以下の通りです。

テスト箇所に薬を使用しない

通常の肌の状態でどのような反応を示すかを確認するためのテストです。
そのため、事前に塗り薬を使用したり、試験中に塗り薬を使ったりすると正確な結果が得られません。
塗り薬の使用を控えてください。

パッチを途中ではがさない

正確な診断を行うためには、規定通りにパッチは2日間貼ったままにする必要があります。
院内でテープをはがしますので、それまで剥がさないようにしてください。
強いかゆみが出る可能性がありますが、来院まで剥がさないでください。

パッチをはがす前の入浴は避ける

入浴やシャワーでパッチがずれたり剥がれたりすると、正確な判定ができません。
パッチをはがすまでは入浴やシャワーを控えてください。
背中を濡らさないように洗髪するのは問題ありません。

運動などでマーキングが消えないようにする

テスト中は、どの物質がどこに塗られているかを油性ペンでマーキングしています。
汗などでマーキングが流れると正確な判定ができなくなりますので、ゴシゴシ洗うなどして消えてしまわないように注意してください。

決まった日程で通院する

パッチテストは時間経過によって判定結果が変わることがあります。
正確な判定を行うために、必ず指定された時間に来院してください。
正確な結果を得るためにも、定められたスケジュールを守ることが大切です。