ほくろ(ほくろ除去)

ほくろができる・増える原因

ほくろができる・増える原因

ほくろが増える主な原因には「紫外線」や「ホルモンバランスの変化」が挙げられます。
これらはメラニン色素の増加に影響を及ぼします。

紫外線

大量に紫外線を浴びると、肌を守るためにメラノサイトが活性化し、メラニン色素が生成されます。
メラニン色素を生成する過程でほくろが発生し、結果的にほくろの数が増加することがあります。

ホルモンバランスの変化

妊娠、生理不順、更年期などでホルモンバランスが乱れると、メラニン色素を体外へ排出するサイクルが崩れます。

悪性のがん?良性のほくろ?種類と見分け方

良性のほくろ(母斑細胞母斑)

良性のほくろ、または母斑細胞母斑は、皮膚のメラノサイト(色素を生成する細胞)が集まってできる小さな色素斑です。
通常は無害であり、多くの人に一つ以上見られる非常に一般的な皮膚の特徴です

ウンナ母斑(Unna母斑)

体幹に多く見られるこのほくろは、やわらかく盛り上がり、表面が桑の実状や顆粒状、平滑であるといった特徴があります。
組織的には、ほとんどが複合型母斑に分類されます

ミーシャ―母斑(Miescher母斑)

顔面に主に見られ、半球状に盛り上がり、黒、褐色、灰色など様々な色が見られます。
何本かの毛が生えていることが多く、組織的にみるとほとんどが真皮型または複合型母斑です。

クラーク母斑(Clark母斑)

体幹や四肢にみられるこのほくろは、平坦で褐色を示し、中央部は黒みが強く、縁は色が薄く色が染み出していることが特徴です。

スピッツ母斑(Spitz母斑)

一般的に若年層の顔面に紅色の結節が見られますが、黒色や褐色、混合の色調を示すこともあります。

悪性のほくろ(悪性黒色腫)

悪性のほくろ(悪性黒色腫)

悪性黒色腫はメラノーマとも呼ばれ、重要な皮膚がんの一種です。
このがんは主に4種類(結節型、表在拡大型、末端黒子型、悪性黒子型)に分類されます。
悪性黒色腫のすべての型で共通しているのは、腫瘍細胞が増殖し、ほくろに広がりを見せることです。
悪性黒色腫は、ある程度まで大きくなると皮膚の深部へと広がり始め、黒色の結節、潰瘍、びらんなどを引き起こします。
この段階になると、がんの他の部位への転移のリスクが高まり、最終的には骨、肺、脳、肝臓など遠隔の臓器にも転移する危険性があります。
悪性黒色腫の早期発見と治療は非常に重要で、異常が見られた場合は直ちに専門医の診断を受けるようにしましょう。

良性と悪性の見分け方

良性のほくろと悪性黒色腫を見分けるための一つの方法として「ABCDEルール」があります。

A(Asymmetry)= 非対称性

ほくろが左右非対称の場合、悪性の可能性があります。
丸く均一な形状は良性である可能性が高いです。

B(Border)= 境界

ほくろの周囲の境界が不整であるか、色が染み出している場合は悪性の可能性があります。
はっきりとした境界線があるほくろは良性である可能性が高いです。

C(Color)= 色

ほくろが複数の色を持つ場合や色ムラがある場合は悪性の可能性があります。
一方で、色が均一であれば良性である可能性が高いです。

D(Diameter)= 直径

直径が7mmを超えるほくろは特に注意が必要です。
ただし、直径が7mm以上でも、存在する位置や他の特徴によっては良性の可能性もあります。

E(Evolution) = 変化

ほくろが時間とともに大きくなる場合、特に注意が必要です。
子どもの場合は成長に伴いほくろが大きくなることが多いですが、成人でほくろが急速に大きくなる場合は悪性である可能性があります。

足の裏のほくろは病気?

足の裏のほくろは病気?

悪性のほくろであるメラノーマ(悪性黒色腫)は全身のどこにでもできますが、その約30%は手足や爪の部分に発生します。
手や爪は比較的見つけやすいですが、足の裏は気づかないことが多く、進行してから来院されるケースが多いです。
足の裏の皮膚を断面図で見ると、表面が凸凹しており、凸の部分を「丘」、凹の部分を「溝」と呼びます。
ほくろが「溝」の部分に濃く見られる場合は良性であることが多いですが、「丘」の部分に濃く見られる場合は、皮丘平行パターンと呼ばれ、悪性の可能性が考えられます。

唇のほくろ

唇にほくろ(色素性母斑)ができることはありますが、「唇にほくろができた」と来院される方で最も多い疾患は静脈湖です。
静脈湖は血管性の病変であり、メラノサイトの増殖によるほくろとは異なる疾患です。
静脈湖は加齢によるものもありますが、10代でも発生するため必ずしも加齢だけが原因ではありません。

大きなものは手術で、小さなものはレーザーで治療します。

検査方法

ダーモスコピー

ダーモスコープという特殊な照明器具を使用し、皮膚の病変部を10~30倍に拡大して詳細に観察する方法です。
肉眼では見えない皮膚の内部の色分布やパターンも確認できます。
これにより、特に足の裏など特定の部位における良性腫瘍と悪性腫瘍の違いを区別できます。

皮膚生検

この検査は局所麻酔の下で行われ、特定の病変部から少量の組織を採取し、顕微鏡下で詳細に調べることで、病変が悪性かどうかを判定します。
悪性黒色腫の場合、進行度を確認し治療方針を決定するのに役立ちます。

画像検査

画像検査は、足の裏のほくろが皮膚がんである場合、他の部位への転移の有無を確認するために行われます。

皮膚科で行うほくろ除去(ほくろ取り)

皮膚科で行うほくろ除去(ほくろ取り)

CO₂レーザー

局所麻酔を施した後、CO₂レーザーを使用してほくろを除去します。
この方法は高周波の熱エネルギーで組織を切除しつつ止血も行うため、出血が少ないのが特徴です。
施術後は、塗り薬とテープで傷を保護し、1〜2週間で傷がふさがります。
治療後2週間で再診が必要ですが、完全に肌色がなじむまで3〜6ヶ月かかる場合があります。紫外線による影響を避けるため、紫外線対策が重要です。

くりぬき法

直径1〜6mmの型抜きでほくろを丁寧に除去します。
この方法は傷を最小限に抑えることができ、患部の状態によっては皮膚の縫合を行わないこともあります。
熱損傷がなく、切除した組織を皮膚生検で確認することができるため、診断にも利用されます。

切除法(メス)

局所麻酔後、紡錘形にほくろを切除し、皮膚を縫合します。
特に体の露出部分にあるほくろに推奨される方法で、1週間後に抜糸を行います。
CO₂レーザーで治療が困難な場合や、傷が残りやすい部位に対してこちらの方法を実施します。

ほくろ除去の値段

メニュー 費用
1か所につき 11,000円(税込)
頭部 16,500円(税込)