乾燥肌とはどんな状態?
肌が乾燥してカサカサし、かゆみを感じる状態を指します。
これは医学的には乾皮症や皮脂欠乏症とも呼ばれ、皮膚の水分や皮脂が何らかの原因で不足することにより引き起こされます。
乾燥肌は年齢や性別を問わず、赤ちゃんから高齢者まで誰にでも全身に生じる可能性がある症状です。
症状
皮膚がカサカサしたりガサガサになったり、肌のつっぱり感や時には白い粉がふくことがあります。
また、ひび割れなどの症状も見られます。
症状が悪化すると、かゆみや痛みを発生することがあります。
日常生活では感じないこともありますが、特に入浴後や洗顔後に症状を感じやすくなることがあります。
乾燥肌の原因
乾燥肌の主な原因は、空気の乾燥です。
これにより皮膚から水分が奪われます。
加えて寒冷環境下では、血管収縮による血流量の低下が新陳代謝を減少させ、皮膚細胞の更新サイクルが滞ります。
その結果、皮膚のバリア機能も弱まり、乾燥が進行します。
また、強い洗浄力の石鹸や熱い湯、タオルで強く擦ることによる皮脂の過剰な洗い流しもバリア機能の低下を招き、乾燥を促進します。
紫外線による肌のダメージも、角質層の厚みを増やしつつバリア機能を低下させ、乾燥を悪化させます。
乾燥肌が悪化する原因
- 入浴:高温の湯に長く浸かること、ナイロンなどの過度な摩擦を与えるボディタオルの使用、洗浄力の強い石鹸の使用
- 湿度:室内の湿度が40%以下であること、電気毛布やコタツの使用
- 衣服:肌への刺激が強い化学繊維素材(ナイロンなど)
- 食事:刺激物やアルコールの摂取(体温が上昇することでかゆみが増幅)
乾燥肌でもニキビはできる?
乾燥によりバリア機能が弱まり、新陳代謝が低下すると、毛穴周りの角質が厚くなります。
これにより毛穴が詰まり、皮脂が外に出る場所を失って毛穴の中に溜まり続けます。
溜まった皮脂自体に害はないものの、その中に含まれるアクネ菌がニキビの発生要因となります。
毛穴の詰まりはアクネ菌にとって最適な環境を提供し、増殖しやすくなります。
これにより炎症を引き起こす物質が生成され、ニキビが発生します。
乾燥肌を放置するとかゆみ・ブツブツに…
乾燥肌を放置すると角質層が剥がれ、バリア機能が低下します。
これによりアレルゲンや刺激物質が侵入しやすくなり、かゆみが引き起こされます。
一度かゆみが始まると、かきむしることで湿疹が発生し、さらにかゆみが増すという悪循環に陥ります。
このような乾燥型の湿疹を治すには、薬が必要になることがあります。
また、乾燥肌が悪化して皮膚疾患に進行する前に、適切な保湿ケアを行うことが重要です。
皮膚科で行う乾燥肌の治療
皮膚科では、乾燥を防ぐために保湿剤の塗り薬を使用します。
使用感を優先して問題ありませんが、季節に応じて保湿剤のタイプを使い分けることも一つの方法です。
例えば、冬場は保湿力が高いクリームタイプを、夏場は軽いつけ心地のローションタイプを選ぶと良いでしょう。
また、皮膚の炎症が顕著な場合には、炎症を抑えるステロイド薬を使用することもあります。
カサカサ肌の対策・対処法
睡眠の時間・質
睡眠中の成長ホルモン分泌は肌の回復に役立ちます。
良質な睡眠を得るためには、以下の3点が重要です。
- 食事管理:寝る前に食べないことで就寝時の血糖値の上昇を防ぎます。
- 体温調整:就寝1時間前の入浴で就寝時には体温を下げ、睡眠を促進します。
- リラクゼーション:寝る前1時間はスマホやテレビを避けて脳を落ち着かせます。
適度な運動
適度な運動は体の代謝を促進し、肌の新陳代謝も正常化します。
逆に、運動不足は肌の再生プロセスを妨げ、ストレスが蓄積する原因にもなります。
軽い運動、例えばストレッチやウォーキングを日常に取り入れることで、これらの問題を予防し、ストレスの解消にも効果的です。
食習慣の改善
食習慣の見直しも肌の健康には不可欠です。
- 特に糖質の取りすぎや極端な制限は避けつつ、バランスの良い食生活を心がけましょう
- 朝食をしっかり摂ることで、日中の代謝が活性化されます。
- 適量の植物油(オリーブ油や魚油など)を摂取して、過剰な脂質の摂取は控え、ビタミンを豊富に含む野菜を毎食摂ることで、肌の健康をサポートします。