足の裏の「タコ(胼胝)」「魚の目(鶏眼)」とは
タコと魚の目は医学用語ではそれぞれ、胼胝(べんち)、鶏眼(けいがん)と呼ばれ、いずれも皮膚の最外層にある角質が盛り上がった状態です。
タコは角質が表面に向かって盛り上がりますが、魚の目は角質が深部に向かって喰い込むため、圧迫すると痛みを感じます。
外見で区別がつくことが多いですが、判別が難しい場合は角質を削って診断します。
胼胝と魚の目の症状…痛い?
胼胝(タコ)
胼胝は多くの場合、痛みを伴いません。
外部の刺激に対する防御反応で角質が厚くなり、広い範囲に及ぶため、刺激に対して鈍感になることもあります。
主な発症箇所は足ですが、正座をよくする人の「座りだこ」やペンを持つ人の「ペンだこ」など、足以外の部位にもできます。
基本的に無症状ですが、極端な刺激や摩擦を受けると、より角質が厚くなり、不快感を感じることがあります。
鶏眼(ウオノメ)
魚の目は、日常的な圧迫や刺激で角質が徐々に厚く硬くなり、皮膚の奥に硬い芯ができます。
初期には患部が厚く、奥に白い芯が見える状態で、痛みはさほど強くありません。
しかし、放置すると患部が広がり、周囲にも魚の目の芯や角質ができやすくなります。
タコと魚の目の違い
たこ・魚の目のそれぞれの特徴や原因は以下の通りです。
状態 | 症状 | |
---|---|---|
タコ | 表面の角質が増殖し、厚くなっている | 芯がないため痛みはほとんどない |
魚の目 | 真ん中に角質の芯があり、この芯が皮膚の内側に食い込んでいる | 押すことで芯が神経を圧迫し痛みを生じる |
タコ・魚の目の原因
タコや魚の目の直接的な原因は、同じ部位に繰り返し圧迫や摩擦による刺激が加わることによるものですが、生活習慣や老化、足の変形、持病などさまざまな要因が絡んでいます。
具体的な要因には以下のようなものがあります。
生活習慣
- 激しい運動
- 先の細い靴やハイヒールなどの足に合わない靴を履く
老化
- 足の裏のフットパッドの萎縮
足の変形
- 外反母趾・内反小趾
- 開張足・扁平足
- ハンマートゥ・クロウトゥ
基礎疾患
- 糖尿病
- 関節リウマチ
胼胝を治す方法・治療
角質が厚くなっている部位を柔らかくして自然治癒を待ったり、患部を切除して除去したりします。
また、胼胝は生活習慣によって再発しやすいため、原因となる習慣を取り除くことも非常に重要です。
しかし、どうしても原因が取り除けない場合には、クッションを敷いたり、ワセリンや軟膏などを塗ったりといった対処で局部への刺激を緩和させます。
魚の目の治療・取り方
魚の目の治療方法には、市販薬を使って自分で治療する、もしくは、病院で受診しての治療があります。
魚の目は、皮膚の奥にある芯が残っている限り再発します。
再発を予防するためにも医療機関を受診すると良いでしょう。
市販薬
軽度の症状に限り、市販薬でも有効な場合があります。
市販薬には以下の3タイプがあります。
- 液体タイプ
- 軟膏タイプ
- テープタイプ
液体タイプや軟膏タイプの薬は清潔にした患部に直接塗布します。
テープタイプの薬は患部に2~3日貼り付けてふやかし、その後芯を除去します。
ただし、自分で治療を試みると芯が取り切れず再発する可能性や患部から雑菌が侵入するリスクがあるため、基本的には病院で治療をおすすめします。
皮膚科での治療
皮膚科では厚くなった角質を削り、中心を切除して芯をきれいに取り除きます。
病院での治療は、医師が確認した上で症状に合わせた治療ができ、再発のリスクも低くなります。