虫刺され

虫刺されの症状

一般的に虫刺されの皮膚症状には「即時型反応」と「遅延型反応」があります。

即時型反応

虫に刺された直後から現れる反応です。
一般的には数分から数時間以内に「赤み(発赤)」「痛み」「腫れ」「かゆみ」などの症状が出現します。
これらは虫による物理的な刺激が原因とされています。
即時型反応では症状は数時間で軽減することが多いです。

遅延型反応

刺された後にしばらく時間が経ってから現れる反応です。
1〜2日後に「赤み」「かゆみ」「水ぶくれ」といったアレルギー反応が起こります。
白血球などが刺された箇所に集まり、炎症物質を放出することで腫れやかゆみが引き起こされます。
一般的に、遅延型反応は即時型反応よりも症状が強く現れることが多いです。

虫刺されの種類

蚊は吸血する際に唾液を注入し、これに対する即時型反応としてかゆみや腫れの症状が現れます。
翌日には遅延型反応として再び症状が生じることがあります。

ブユ(ブヨ、ブト)

ブユは小さなハエのような見た目で、ヒトの血を吸います。
刺された直後には症状が現れず、半日ほど経ってから赤み、かゆみ、腫れが強くなります。
キャンプ場や川沿いで刺されることが多く、脛のあたりを刺されることが多いです。

ノミ

刺された直後には症状は出現せず、数日経ってから赤みやブツブツが現れます。
ペットを飼っている家庭では室内でも刺される可能性があります。

アブ

アブは皮膚を咬んで血を吸います。
そのため、刺された時には痛みが生じ、しばらくしてからかゆみや腫れなどの症状が出現します。

ダニ

室内ではイエダニに刺されることが多く、夜間に脇腹や下腹部、太ももを刺されます。
屋外ではマダニが、脇腹や太もも、陰部などに噛みつきます。
吸血中のマダニは無理に取らずに病院で処置を受ける必要があります。

ハチ

刺されると強い痛みや灼熱感があり、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
アナフィラキシーショックの症状が見られた際には、救急車を呼んでください。

毛虫

接触するとかゆみやじんましん、赤いブツブツが現れます。
毛虫に触れた場合は粘着性のテープで毛虫の針を取り除きましょう。

ムカデ

ムカデは牙を使って皮膚を咬み、毒成分を注入します。
咬まれると直後に強い痛みや赤み、腫れが出現し、リンパ節が腫れることもあります。
アナフィラキシーショックを起こすこともあるため、要注意です。

虫刺されで腫れる原因

虫刺されで腫れる原因虫刺されによる腫れやかゆみの原因は、虫の毒に含まれるヒスタミン類です。
刺された直後よりも、朝になってから「パンパンに腫れた」という方が多いです。
特に子どもは遅発型のアレルギーが起こりやすく、強く腫れることがありますが、成長とともに徐々に腫れにくくなります。

虫刺されの腫れがひどい時の対処法

軽度の腫れであれば、基本的には何もしなくても治ります。
かゆみが強い場合は保冷剤や冷水で冷やすと効果的です。
掻きむしると、腫れた部分に爪傷や感染を引き起こすことがあります。
特に、小さな子どもは掻きむしってしまうことがあるため、冷やしてかゆみを抑えると良いでしょう。
かゆみだけであれば、市販のかゆみ止めを使用するのも有効です。
痛みや腫れが大きい場合は、強いアレルギー反応の可能性が高いため、ステロイドの塗り薬を使うとよいでしょう。
多くの場合市販の薬で対応できますが、心配な場合は遠慮なく皮膚科を受診して相談してください。

蜂やマダニに刺された場合、体内に蜂の毒針やマダニの身体の一部が残っている可能性があります。
刺された場合は、自分で取り除かずに皮膚科を受診してください。

皮膚科で行う虫刺され治療

軽症の場合は市販のかゆみ止めで対応できますが、赤みやかゆみが強い場合はステロイドの外用薬が必要になります。
虫刺されは通常、1~2週間で改善しますが、症状が強い場合は抗ヒスタミン薬やステロイドの内服薬が必要になることもあるため、皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
また、原因となる虫が身近に潜んでいる場合は、治っても新たな皮疹が出現する可能性があります。
その場合は、原因となる虫を特定し、駆除しなければなりません。
虫の種類によって対処法や治療法が異なる場合があるので、可能であれば写真などで残しておくと良いでしょう。

虫刺されの予防方法

虫刺されは早めの対処と予防が大切です。虫刺されの予防方法は以下の通りです。

肌の露出を避ける

虫刺されの予防蚊やブユといった虫には、肌を露出している部分が刺されます。
特に野外で活動をする際は、長袖・長ズボンを着用し、靴下とズボンの間やサンダル着用時の足の甲を覆うようにしてください。
熱中症のリスクも考慮しつつ、なるべく肌を覆うことが予防になります。

虫が多い環境に行かない

基本的には虫が多い場所に近づかないことです。
蚊は池や水たまりや植木鉢の受け皿などに多く、ブユは川沿いのキャンプ場やきれいな水辺などに多く発生します。
これらの場所に近づく際には、虫よけ対策を徹底することが重要です。

虫よけスプレーを使う

虫刺されの予防服で覆うことができない部分には、虫よけスプレーなどを使用します。
ただし、ディートが含まれる忌避剤を子どもに使用する際には使用上の注意があります。

  • 顔には使用しない
  • 生後6ヶ月未満の乳児には使用しない
  • 2歳未満の幼児は1日1回、2歳以上12歳未満の小児は1日1~3回の使用にとどめる

などがあります。
適切に使用し、虫刺されを防ぎましょう。