ニキビができる主な原因
ニキビの主な原因は「毛穴の詰まり」、「皮脂の過剰な分泌」、そして「アクネ菌の増殖」です。
通常、肌はターンオーバーというプロセスを通じて古い細胞が新しい細胞に置き換わりますが、このプロセスが乱れると毛穴の角質が厚くなり、毛穴が塞がれ、皮脂が詰まりやすくなります。
睡眠不足や不健康な食生活、ホルモンバランスの乱れ、ストレスなどが皮脂の過剰な分泌を引き起こすこともあります。
これにより毛穴はさらに塞がりやすくなり、状況を悪化させます。
毛穴に詰まった皮脂はアクネ菌の栄養源となり、アクネ菌はこれをエサにして増殖します。
アクネ菌の増殖が進むと炎症を引き起こし、ニキビが発生します。
ニキビの種類ごとの症状
ニキビはその種類によって見た目に特徴があります。
以下では「白ニキビ」、「黒ニキビ」、「赤ニキビ」、「黄ニキビ」の特徴を紹介します。
白ニキビ
古い角質や皮脂が毛穴に詰まり、外から見ると白く見えます。
自覚症状は少ないですが、放置すると症状が進行することがあります。
早期に適切な治療を受けることが推奨されます。
黒ニキビ
毛穴に詰まった皮脂が空気に触れて酸化し、黒く変色します。
目立つため自己対処を試みる方も多いですが、適切なケアが必要です。
正しい洗顔とスキンケアを心がけましょう。
赤ニキビ
アクネ菌の増殖により炎症が起こり、赤く腫れた状態です。
痛みやかゆみが伴うことがあります。
炎症が進むとニキビ跡が残りやすくなるため、適切な措置を受けることが重要です。
黄ニキビ
毛穴が化膿し、膿が見えることで黄色く見える状態です。
最も重症な形態の一つで、色素沈着やクレーター状のニキビ跡が残りやすいです。
自己処理で悪化させることなく、専門の治療を受けましょう。
ニキビができる場所と原因
おでこ
額は皮脂の分泌が特に多く、男性ホルモンの影響を受けやすい場所です。
洗顔料やシャンプーの洗い残しがニキビの原因になることもあります。
また、洗い過ぎによって皮膚が乾燥し、皮脂分泌が増えることもあるため注意が必要です。
Tゾーン
眉毛から眉間、鼻筋にかけたTゾーンは皮脂分泌が最も多い部位です。
顔の凹凸が多いため、メイクの洗い残しが生じやすく、紫外線や髪の毛の刺激などを受けやすいため、ニキビが発生しやすいです。
口周り・顎
男性ホルモンの影響を受けやすく、ストレスやホルモンバランスの乱れによりニキビができやすい場所です。
皮脂が少ないUゾーンに位置するため、成人ニキビが特に発生しやすい部位です。
フェイスライン・首
通常より皮脂が少ないUゾーンに位置し、衣類や紫外線、汗や汚れなどの刺激により、ニキビができやすいです。
治りが遅く、ニキビ跡や色素沈着が残りやすいため、特に注意が必要です。
背中
背中もTゾーンと同様に皮脂分泌が多い部位で、ニキビが発生しやすい場所です。
紫外線や髪の毛の刺激などが原因で、ニキビが炎症を起こしやすいです。
胸・デコルテ
デコルテは紫外線や髪の毛、汗などの刺激でダメージを受けやすく、胸は汗がたまりやすい部位です。
圧迫やムレもニキビの発生を助長します。
お尻
座ることで圧力がかかり、汗や汚れ、ムレがニキビの原因になります。
角質層が厚く、ニキビが治りにくいのが特徴です。
マスクによるニキビについて
マスクを着用することで肌トラブルが起こりやすくなる理由には、主に以下の3つの原因があります。
蒸れ
マスクの内側は呼吸により高温多湿になります。
高温多湿の環境はアクネ菌を含む細菌の繁殖に適しており、ニキビが発生しやすくなります。
摩擦
マスクが直接肌に触れることで摩擦が生じ、肌荒れやかぶれを引き起こします。
毎日の摩擦は肌のバリア機能を低下させ、外部刺激に対する抵抗力を弱めるため、さらに肌トラブルが発生しやすくなる悪循環となることがあります。
乾燥
マスク内は呼吸で湿気がこもりがちですが、マスクを外すと急激に内側の湿気が蒸発します。
これにより、肌自体の水分も奪われ、乾燥が進むことで肌のバリア機能が損なわれます。
乾燥した肌はさらに皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。
皮膚科で行うニキビ治療
日本皮膚科学会によるニキビ治療のガイドラインでは、様々な薬剤が推奨されています。
その中のアダパレンという薬は毛穴の詰まりを改善し、過酸化ベンゾイルは毛穴の詰まりを改善するだけでなく、アクネ菌にも効果的です。
これらの薬剤は赤いぶつぶつや膿を持ったニキビに対して特に効果的で、必要に応じて複数の治療法を組み合わせることもあります。
ニキビが落ち着いた後は、抗生物質を中止し、アダパレンや過酸化ベンゾイルを使用して再発予防の維持療法を行います。
また、毛穴にたまった皮脂を取り除く「面皰圧出」という処置や、ケミカルピーリングなど自費で行う治療方法も存在します。
これらの治療はニキビの状態や患者様のご希望に応じて選択されます。
処方する薬の例
白ニキビ | 保湿剤+アダパレンゲル(ディフェリン)や過酸化ベンゾイルゲル(ベピオ)の処方、 |
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黒ニキビ | 保湿剤+アダパレンゲル(ディフェリン)の処方 |
赤ニキビ | 抗菌薬内服、抗菌薬外用、アダパレンゲル(ディフェリン)過酸化ベンゾイルゲル(ベピオ)や、過酸化ベンゾイル+クリンダマイシンゲル(デュアック)、アダパレン+塩化ベンゾイルゲル(エピデュオ)の処方、漢方薬 |
微小面皰 | 保湿剤+アダパレンゲル(ディフェリン)や過酸化ベンゾイルゲル(ベピオ)の処方 |
化膿したニキビ | 抗菌薬内服、抗菌薬外用、漢方薬 |
嚢腫・硬結を伴うニキビ | 抗菌薬内服、ステロイド局注 |